第2回 船橋市民俳句大会
「海見えてよりは急がず雪解川」

市長賞は中島たけ子さん


 第二回船橋市民俳句大会(主催・船橋俳句協会)=写 真=が二月十一日東部公民館で開かれ、市長賞には中島たけ子さんが選ばれた。今回は、百六十一人から四百六十四句が寄せられ同協会の役員等二十六人が選者を務めた。

 「選」は、先ず選者が各自三十首を選ぶ。うち一首を特撰とし、三十首に一点づつ特撰句には二点が与えられその合計点で賞が決まった。

 

船橋市長賞
(11点句)
海見えてよりは急がず雪解川 成田市 中島たけ子
船橋市議会議長賞
(9点句)
羅漢みな福耳もてり冬日和 西船 永田 由子
船橋俳句協会長賞
(9点句)
路地干の魚の匂経る十二月 東京都 唐木 和世
船橋市教育長賞
(8点句)
柿を剥くその後の暮らし聞きながら みやぎ台 笹原 三雄
船橋市観光協会長賞
(8点句)
稲架を解き太平洋を間近かにす 西習志野 高橋 豊仁
奨励賞1 (8点句) 妻いつもうしろ姿の年の暮れ 行田 宮下
睦民 老兵は死なず年越しそば二枚 八木が谷 八木 邦夫
旧姓のままの針箱春障子 西習志野 中川 房子
その先を言はれてしまひ村芝居 東船橋 近藤 酔舟
浮寝鳥沖より暗くなりにけり 飯山満町 中江月鈴子
奨励賞2(7点句) 蓮の実のとんで一村黙深む 海神 飯尾婦美代
寒鰤に塩打って肌くもらする 宮本 山崎日出子
狐火を追ひふるさとへ帰らざり 市川市 小松 絹子
兵たりしは夢まぼろしか枯野行く 柿崎 宗一
鳰潜く空の蒼さを確かめて 高根台 清水 公治
寄鍋やみな肩書のなき輩 習志野台 永野 純顕
ふるさとは雪三合の米を研ぐ 鎌ヶ谷市 村田 珠子
奨励賞3(6点句) 荒布干す拝み合はせの荒筵 東中山 小泉 静子
春泥を跳んで人の名思ひ出す 成田市 中島たけ子
水仙の一花冴ゆる古刀展 飯山満町 塚越としを
歳晩の川の水汲み舟洗ふ 西船 近藤 弘子
父の日や父を疎みし日の遠く
花筵小さく広げ夫を恋ふ
習志野台 藤盛 良子
蛇穴を出て清流に身を浸す 西習志野 高橋 豊仁
柚子一つ加へ仕舞湯楽しめり 習志野台 大島 直子
大空は雲のキャンバス鳥渡る 大穴南 前田 茂
死ぬまでは女でいたし更衣 夏見 村田 三夏
古書店に売らるるワイン漱石忌 千葉市 石崎 宏子
波郷忌や飽食の世の葛西橋 西習志野 蝦名 正吾
特撰句賞    
【浅野 正 選】 天壇の空に松の威去年今年 船橋 恒雄
【足立 公彦選】 いぬふぐりひたすら空を見てゐたり 田中 敬子
【伊藤 白潮選】 浮寝鳥沖より暗くなりにけり 中江月鈴子
【小倉 英男選】 狐火を追ひふるさとへ帰らざり 小松 絹子
【太田 白羊選】 子が父となる山茶花の朝ぼらけ 岩上とし子
【大坪 景章選】 くずかごの枯菊匂ふ夜の更けて 大山 春江
【井関サカエ選】 一隅にイエスの棲めるちゃんちゃんこ 笹原 三雄
【小泉 静子選】 手囲ひで燭を継ぎをり露の寺 市江 記代
【白田 哲三選】 蓑虫の垂れてちちはは探しをり 志田 壯吉
【田中 良次選】 変わりなき主婦の仕事や稲の花 西尾 久子
【中江月鈴子選】 あっけなく面接終ゆる神の留守 斎藤 哲子
【久染 康子選】 潜らねば夕日に撃たるかいつぶり 町野 昭人
【藤井 淑子選】 蛇穴を出て清流に身を浸す 高橋 豊仁
【水野 里枝選】 海見えてよりは急がず雪解川 中島たけ子
【吉川 与音選】 真向かひに嬰の笑顔や初電車 清水ミツ子
【引地 冬樹選】 旧姓のままの針箱春障子 中川 房子
【渡辺 啓二選】 寒菊の影らしきもの鳴りにけり 白田 哲三
【藤井 國彦選】 妻いつもうしろ姿の年の暮れ 宮下 睦民
【酒井 秀洋選】 海見えてよりは急がず雪解川 中島たけ子
【中山 皓雪選】 鵙の贅口あけしまゝ干からびる 志田 壯吉
【清水 公治選】 羅漢みな福耳もてり冬日和  
【塚越としを選】 医学部の防火用水蝌蚪生るる 大山 春江
【青山 正生選】 御用納め星美しき街へ出づ 近藤 酔舟
【高木 一恵選】 花筵小さく広げ夫を恋ふ 藤盛 良子
【荻野 泰成選】 天壇の空に松の威去年今年 船橋 恒雄
【永田 由子選】 歳晩の川の水汲み舟洗ふ 近藤 弘子

                     

船橋市民新聞 2001年 3/1発行 第29号掲載


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