藝林文庫(9)

猛暑残暑の季を終え
「極地」のはなし

浜 旦(はまあした)


 南極大陸は日本の40倍近くの面積、2千数100M近い氷床で覆われ、総水量は地球全体の真水の80〜90%。内陸平均気温は零下55度以下。降雪は凍結し、その重みで氷床は常に海に押し出されるため氷量は一定している。

 1955年から日本を含む10余か国が基地観測研究する。氷が全て溶けると地球海面は60M上昇する。地球温暖化で氷床や海面の棚氷は溶け続けモルディヴ等珊瑚礁の島国が水没に瀕していることはニュースなどで知られる。

 季節は日本と逆で日本の夏は猛吹雪の冬。日本の11〜3月が南極は夏で観光ツアーが訪れる。アルゼンチン南端ウシェワイアから2昼夜で南極半島に至る船便コースが多い。夏の気温は零度前後。日照が長く午前2時〜午後9時すぎまで長い夕焼けから朝焼けと続き、真暗にならない。

 温泉がある。噴煙を上げる活火山も。30年程前爆発した火山近くの海岸に熱湯が沸く。海水を混ぜて適温にする。客は水着、防寒着、スニーカーで上陸する。スニーカーがないと熱くていられない。

 北極に大陸はない。なくてよかった。あったら熾烈な領土争奪戦が起きたに違いない。軍事基地、資源基地、観光基地等々の開発(?)で溜まった氷床は疾うに溶け、島国の多くは水没していただろう。日本列島も半分は海面下にあるだろうといわれる。

 地球温暖は古来、自然現象として断続しており珍しくないが、人為現象に由来した国土水没もまたあり得る。 ※地球の年間降雨量は119兆トン。蒸発分を差し引いた利用可能水量は45兆トン(世界資源研究所)。全盛である。回転鮨も既に20年余になる。

※鮨=″魚が旨い″ではない。″魚の塩から″のこと。ちなみに肉の塩からは″醢(かい)″。

船橋市民新聞 10/1発行 第24号


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